【帯広刑務所移送】罪深きスッチーのお尻と眼下の愛する東村山に「グッバイ‼️」《懲役合計21年2カ月!! 生き直し人生録》
「ヤクザとキリスト」凶悪で愉快な塀の中の住人たちVol.4
元ヤクザでクリスチャン、今建設現場の「墨出し職人」さかはらじんが描く懲役合計21年2カ月の《生き直し》人生録。カタギに戻り10年あまり、罪の代償としての罰を受けてもなお、世間の差別・辛酸ももちろん舐め、信仰で回心した思いを最新刊著作『塀の中はワンダーランド』で著しました。実刑2年2カ月! 府中刑務所に入った著者のじんさんは、いよいよ懲役の移送先が決まる。夏の盛りに決まったのは北海道の帯広刑務所。今回は、帯広へ向かう「移送」のお話。
■罪深きスッチーのお尻
ボクたちは、担当職員を含む6人で、すでにハイテク化(護送指揮官が指紋認証機にサッと手翳しをするだけで、開けゴマ式に巨大なガラス扉が開く)した府中刑務所の堂々たる正面玄関から護送バスに乗り、一路、羽田空港へと向かった。
午前7時30分、バスは羽田空港に着いた。駐車場には同じような護送バスが離れたところに2台停まっていた。千葉刑務所と東京拘置所からの護送バスだった。
1時間後、ボクたちは空港内の誘導車の案内で入港し、午前9時羽田発帯広行きの飛行機の後部から乗り込もうとしていた。
その昔、罪人を護送するのは、竹でできた円筒形の唐丸籠であった。だが、そんな時代から150年。時代の変遷とともに罪人の護送手段も変わり、今や飛行機や新幹線の時代となった。ボクはそんな時代の移り変わりに、「昔はおにぎり、今はカンパン」という古いコマーシャルを思い出しながら、
「昔は唐丸籠、今は飛行機、新幹線」などと思った。そんな時代の流れに感慨を抱きながら、ボクはタラップを上がる。
数時間前まで、ボクたち受刑者は、何カ月もの間、檻の中で禁欲的な生活を強いられてきたから、機内へ乗り込んだあと、ボクはスッチーたちのちょっとした動作がつくり出すボディラインに欲情を駆り立てられ、クラクラと眩暈を起こした。もう少しで、理性を失いそうにまでなっていたのである。
タラップを上がって機内へ乗り込むと、その入口にグラマラスな身体の上に可憐な花のような可愛い顔を乗せたスッチーが口元に微笑みを湛えて「おはようございます」と言って、ボクたちを出迎えてくれた。そのスッチーの可愛い顔と肉感を刺激する強烈なエロい肢体に、気の小さいボクの心臓はドッキン、ドッキンと高鳴った。
すかさず後ろを振り返って、仲間の様子を窺ってみると、相棒たちもすっかりスッチーの身体にのぼせ上がっていて、今にも襲いかかりそうな顔で、その肢体に見入っていた。その姿は、まるでエサを前にしてヨダレを垂らす動物園の動物である。
そんなボクたちの気持ちを知ってか知らずか、スッチーの一人が微笑を浮かべた。
「こちらへどうぞ」
怪しげなボクたち一行を手招きしながら、先頭に立って狭い通路を歩き始める。
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2020年5月27日『塀の中のワンダーランド』
全国書店にて発売!
新規連載がはじまりました!《元》ヤクザでキリスト教徒《現》建設現場の「墨出し職人」さかはらじんの《生き直し》人生録。「セーラー服と機関銃」ではありません!「塀の中の懲りない面々」ではありません!!「塀の中」滞在時間としては人生の約3分の1。ハンパなく、スケールが大きいかもしれません。
絶望もがむしゃらに突き抜けた時、見えた希望の光!
「ヤクザとキリスト〜塀の中はワンダーランド〜」です。